シェルクノフの多項式法 (Schelkunoff Polynomial Method)
平野拓一
図 1 等間隔リニアアレー
図 1のアレーファクタは次のようになる。
(1)
ここで、
(2)
とおくと
代数学の基本定理から、式(3)の多項式は次のように因数分解できる。
ここで、はの根であり、となる点だからそれらのに対応する
は指向性のヌルとなる。
ヌルの角度を指定した指向性を作りたいとき、式(4)を先に作り、の多項式の係数を式(3)と比較して素子重みを決定する方法がシェルクノフの多項式法(Schelkunoff Polynomial Method)である。ただし、ヌルが指定した角度にくることは確実だが、全体のビームの形がどうなるかは定かではない。
(例)
θ=θ1,θ2方向にヌルを向ける波長間隔アレーを作りたいとき
とし、
とする。また、アレーファクタは素子重み係数を使って表現すると
と書けるので、
となる。つまり3素子アレーである。また式(5)で重解を持つように設定すれば3素子以上ならば任意の素子数で実現できる。3素子以下では2つの方向にヌルを向けることは不可能である。