テイラー分布は連続波源のチェビシェフ分布波源の指向性の すべて一定値であったサイドローブレベルをメインビームから離れるに 従って小さくするように改善したものであり、T. T. Taylor [1] によって提案された。 アレーの重みを決定するとき、アレー素子数が多いときには連続波源で近似して 重みを決定してもよい近似を与える。 ここで説明するテイラー波源(Tschebyscheff Error)は連続ドルフチェビシェフ波源が基本であり、 その一定のサイドローブレベルをメインビームから少し離れれたときに 一様波源のときのように減衰させるものである。メインビームの両脇の数個の サイドローブ(n_bar というパラメータで表される)はほとんどチェビシェフ指向性 となるが、それより離れたサイドローブは一様指向性に近くなるように 一様波源とチェビシェフ波源の良いとこ取りをしたような分布である。 指向性を見るとわかるようにテイラー波源を使うとサイドローブを抑えることができ、 不要放射量もチェビシェフアレーよりも抑えることができる。
チェビシェフ波源にもここで説明する "Tschebyscheff Error" と "One-Parameter" の2種類がある。 前者はメインビーム両脇の数個のサイドローブレベルはすぐには減衰せず、 その外で減衰するように設定されるが、後者ではメインビーム脇のサイドローブレベル はすぐに外のサイドローブレベル程低くなるように減衰し始める。
指向性 | 極座標表示 | 重み係数 |
素子間隔 | λ/4 |
---|---|
素子数 | 2〜50 |
素子間位相差 | 0 |
サイドローブレベル | -30dB |
n_bar | 5 |
素子数を増やすとビームが鋭くなる。 テイラー分布を採用すると一定のサイドローブレベル以下に保つことができ、 角度がメインローブから離れると一様分布のときのように減衰する。
指向性 | 極座標表示 | 重み係数 |
素子間隔 | λ/4 |
---|---|
素子数 | 50 |
素子間位相差 | 0 |
サイドローブレベル | 0〜-50dB |
n_bar | 5 |
任意のサイドローブレベルを選ぶことができる。 サイドローブレベルを低くするとその代償としてビーム幅が広がることがわかる。
指向性 | 極座標表示 | 重み係数 |
素子間隔 | λ/4 |
---|---|
素子数 | 50 |
素子間位相差 | 0 |
サイドローブレベル | -30dB |
n_bar | 1〜20 |
n_bar を大きくすると一様分布からチェビシェフ分布に近づいていく。
4素子 | 8素子 | 16素子 | 32素子 |
素子間隔 | λ/4 |
---|---|
素子間位相差 | 0 |
サイドローブレベル | -30dB |
n_bar | 5 |
[参考文献]