ラプラスの方程式の数値解法

2016/4/4 Takuichi Hirano

ラプラス方程式のヤコビ法による解析 (Excel)

laplace_jacobi_method.xls (23KB)

(説明)

この例題はの参考文献[1]のpp.305-308のディリクレ問題である。ただし、この本では行列方程式を直接解いて一発で解を得ているのに対し、講義プリントで説明した方法は何度も演算を繰り返している。この手法は参考文献[2]のp.18のJacobi(ヤコビ)法で解いていることにほかならない。この行列は[2]のp.16で説明しているように何度も演算を繰り返せば解ベクトルに収束する。この手法で一般の行列方程式が解けるとは言えないが、幸いにもラプラスの方程式(楕円型)を離散化して得た[1]のp.308の行列方程式の左辺の行列は対角優位(対角成分の絶対値が他の成分より最も大きい)になる性質があるので、ヤコビ法で解を得ることができるのである。
(使い方)
Structureシートの"1"があるところは値を指定する(ディリクレ境界条件)ところ。Valueシートは計算前の値を入れる。CalシートはValueシートを参照して次のステップの値を計算している。Calシートの値を値としてValueシートにコピーすると次の計算ステップに移る。これを何回か繰り返すと解に収束する。さらに高度な使い方として、CalシートでCalシートの値を参照する「循環参照」を使うと計算を高速に進めることができる。ただし、循環参照すると無限ループに陥る可能性があるため、「ツール」→「オプション」→「計算方法」タブ→「反復計算」の指定をしておく。
(参考文献)
[1] Magdy F. Iskander, Electromagnetic Fields and Waves, Prentice Hall, 1992.(Amazonリンク)
[2] 「連立一次方程式(行列方程式)の解法」のホームページのlin_eqs.pdf


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