COMSOLの使用方法のメモ

2025/2/8 T. Hirano

誘電正接(Loss Tangent)の設定方法

誘電正接(loss tangent, tanδ)と導電率(σ)は関係しており、独立ではない(参考資料)。どちらかの値と周波数を決めれば、もう片方が決まる。絶縁体に近い、損失が小さめの誘電体材料を扱う技術者は誘電正接での設定を好み、導電率が大きくなり、絶縁体とは言えなくなる材料(金属、塩水、損失が大きいシリコン基板など)を扱う技術者は導電率での設定を好む傾向がある。導電率の設定は材料定数のElectrical conductivityの欄で簡単に設定できるが、COMSOLでの誘電正接の設定には工夫が必要で、導電率の欄に次のように設定するとよい。

Electrical conductivity (2*pi*emw.freq)*(sub_er*epsilon0_const)*sub_tandel

ここで、sub_er, sub_tandelはそれぞれ材料の比誘電率、誘電正接である。pi, emw.freq, epsilon0_constはそれぞれCOMSOLで定義されている円周率、解析周波数、真空の誘電率である。


Back